―お猪口について―
きき猪口は「きき酒」をする時に用いられる道具です。
白磁器の内側の底に二重の輪を蛇の目と呼びます。
また蛇の目を描いている青色は、青色呉須(ゴス)(顔料)で描かれています。
きき猪口には本利き猪口(ほん ききちょこ)通称「本きき」と、呑利き猪口(のみ ききちょこ)通称「呑きき」の2種類があります。
―本利き猪口―
本利き猪口は主に本格的なきき酒をする時に用いられ、酒蔵や品評会等でプロの方が使用されています。
特徴としては生地が薄く繊細で、上絵付け(うわえつけ)と言われる方法で透明の釉薬の上に職人の手によって一つ一つ丁寧に蛇の目が描かれています。
近年は手描き出来る職人がほとんど残っておりません。
弊社では転写で同じような質感を出すよう研究し、ご案内しています。
指で触ったりすると凹凸があるのが分かり、青色の蛇の目の線がハッキリと見えます。
種類は1合のみ。


―呑み利き猪口―
呑み利き猪口は普段使いに用いられ、生地が厚く比較的丈夫です。
試飲会や居酒屋などで多く使用されています。
こちらは下絵付け(したえつけ)と言う方法で蛇の目が描かれており、蛇の目の上に透明の釉薬をかけて焼成してありますので色落ちしません。
種類は、1合・8勺・5勺・3勺・2.5勺・2勺の6種類があり、多方面で使われています。
料飲店やイベント等で使われる、側面に銘柄などが印刷された物のほとんどが、この呑みききです。


―厚み―
本利き猪口と呑み利き猪口とでは生地の厚みが異なります。
本利き猪口の方が薄く繊細で、呑み利き猪口の方が厚く丈夫に作られています。


―比較―
本ききと呑みききを比較してみましょう。


―容量―
利き猪口のサイズを表す【勺】は「しゃく」又は「せき」と読みます。
記載されている容量は、古来より日本で使われている単位を「ml」に直したものです。
お猪口に波々注ぎますと、これよりも多く入ります。
