お猪口・平盃のデザインのコツ

このページではこれまでにお客様と製品を作ってきた中で多かった質問や、ご希望に添えなかった点などを元に掲載しております。
これからオリジナルを作ろうとお考えの皆様のお力添えになれば幸いです。

コツ

デザインは大きく作りましょう

大きなデザインを縮小するのは問題がありませんが、小さなデザインを大きく引き伸ばすと汚くなってしまいます。
汚くなる、というのは初代マリオのようにドット表示のようになってしまうのです。

・具体的に
 仕上がりサイズの倍ほどあれば十分です。
 先程「大きなデザインを縮小するのは問題がない」と書きましたが、実際には縮小した時に「思っていたよりも文字が小さくて読めない」、「線が細すぎて消えてしまった」「余白が多すぎる」という弊害が起きる可能性があります。
 ですので仕上がりサイズの、倍の大きさで作成するのをオススメします。
例)2.5勺のお猪口の場合
 ・印刷可能範囲:高さ25mm
 ・入稿データ:高さ50mmで作成


・潰れないか心配
 デザインする時に仕上がりがどうなるのか、一番気になる部分ですよね。
 色については焼き物ですので指定した色と微妙に変わってしまうことはありますが、サイズ感や潰れに関しては予めご自身で確認する事が可能です。
 実際にプリンターで印刷してみてください。
 この時潰れたり線が消えたりしていなければ、実際の製品でもよっぽど問題ありません。

線の太さについて
 線幅が0.2mmより細くなると、印刷時潰れてしまいます。
 これは白抜きの場合も同様です。
 細かい模様や、使用フォントで文字の一部が細くなっている場合などご注意ください。


デザイン可能範囲

実は縁ぎりぎりまでのデザインは出来ません。
「全面にこうデザイン出来たら素敵だろうな」と思うのは重々分かるのですが、ごめんなさい。
まず第一に、ハンドメイドです。
そう、ハンドメイドなのです。
転写シールにお客さまのデザインを印刷し、それを職人さんが手張りで1つ1つに貼っているのです。

・陶器が曲がっているところは注意が必要です
 なにか曲がっているものに紙を当ててみてください。
 シワになりましたね?
 転写シールでも同じことが起こります。
 シワが寄ってデザインが崩れてしまうため出来ません。

・転写シールにはカバーコートというものがついています
 印刷されたデザインの上にピンク色のカバーコートというのがついています。
 焼き付けた際に溶けて消えるので、デザインに影響はありません。
 しかしこれがデザインより左右上下2mmづつほど大きいサイズです。
 ですので、左右上下2mmほど小さい部分にしか貼ることが出来ません。

・内側に貼る作業は大変です
 内側、また底面にデザインすることも可能です。
 しかしハンドメイドですので、非常に技術が求められます。
 もちろん職人ですから上手く貼ってくれますが、あまりデザインが大きいと貼ることが難しくなってきます。
 底面については2回りほど小さめのサイズまで、内側側面については半分より上ほどまでがデザイン可能になります。


傾斜へのデザイン

傾斜になっている部分にデザインする場合、傾斜にあわせてデザインを曲げる必要があります(アールをつけると言います)
イラストレーターのデータ(ベクターデータ)であれば弊社で曲げることも可能ですが、別途費用が発生しますのでご注意ください。


平盃でのデザイン例

平盃にデザインする場合の、OK例とNG例をいくつか掲載します。
厳密にはサイズや配置箇所の仕方によって変わってきますので、お気軽にご相談ください。


5.色は難しい

例えば「青」と言っても、、水色、青緑、パステルブルーなど様々な色があります。
文章や口頭で色を伝えるのは大変難しいため、サンプル画像があると比較的正確にイメージを受け取る事ができます。
具体的には下記のようなものがあります。

1)参考画像
「このロゴで使っている色」「ラベルのこの部分の色」、など教えてください。
 ただ厳密に言うとモニターによって色の発色に差がありますので、その点はご留意ください。

2)DIC(ディック)、またはPANTONE(パント-ン)の色番号
 DICは日本が、PANTONEはアメリカが展開している色見本帳があります。
 そちらの番号でお伝えいただけると正確です。

3)カラーピッカーにある「RBG」それぞれの値
 WEBで「カラーピッカー」と検索すると出てきます。
 パソコンに入っているペイントソフトなどで、色を選ぶ時に出てくるグラデーションのアレです。
 好きな色をクリックすると、「R」「B」「G」と書いてある枠の中の数値が変わります。
 そちらをお伝えください。

ここまでしても全く同じにはならない

残念ながら、ここまでしても全く同じ色にすることは非常に難しいです。
1つご了承頂きたいのが、印刷物などとは違い指定した色と全く同じには仕上がらないという点です。
焼付する際の温度や、窯に入れた時の場所によってどうしても個体差が出てしまいます。
これは焼き物である以上どうしても起こってしまうことですので、ご理解頂ければ幸いです。


デザイン可能範囲一覧

下記は焼き上がった時の仕上がりサイズになります。
範囲は多少変化しますので、目安と思ってください。
※横サイズは置いた時にひと目で見える範囲になります。
 一周ぐるっとデザインする事も可能です。


入稿方法

メール添付、またはアップローダーを使ってご入稿ください。

形式: jpg png pdf eps ai psd
 解像度:300dpi~600dpi

データ入稿について

弊社ではオリジナルの名前やロゴ(イラスト)を入れることができます。
イベントでの特別なきき猪口に、贈り物の徳利に、販促品等として使われる事が多くあります。
下記の商品にオリジナルデザインを入れることが可能です。

・徳利
・壷
・きき猪口
 etc.

商品の表面加工によって難しいものもございますので、詳しくはご相談ください。


データ入稿の方法は2つございます。

1.元となるイラスト等を郵送頂く
 パソコンが苦手な方にオススメの方法です。
 自社製品でお使いになられているラベルや、イラストを弊社にお送りください。
 FAXですと画像が荒く、商品の仕上がりの質も落ちてしまいます。
 せっかくのオリジナル商品ですので、綺麗にお作り出来ればと思っております。
 少々お時間はかかりますが、ご郵送下されば幸いです。
 また「このラベルの、この文字だけ使いたい」等も対応可能です。
 是非ご相談ください。

2.mailに添付して頂く
 E-mailに写真や画像データを添付して頂く方法です。
 頂いたデータが小さかったり、文字や線の潰れ、歪みがありますとこれもやはり仕上がりの質が落ちてしまいます。
 こちらで出来るだけお直しさせて頂きますが、それにも限界がございます。

本利き猪口と呑利き猪口

―お猪口について―
 きき猪口は「きき酒」をする時に用いられる道具です。
 白磁器の内側の底に二重の輪を蛇の目と呼びます。
 また蛇の目を描いている青色は、青色呉須(ゴス)(顔料)で描かれています。
 きき猪口には本利き猪口(ほん ききちょこ)通称「本きき」と、呑利き猪口(のみ ききちょこ)通称「呑きき」の2種類があります。


本利き猪口
 本利き猪口は主に本格的なきき酒をする時に用いられ、酒蔵や品評会等でプロの方が使用されています。
 特徴としては生地が薄く繊細で、上絵付け(うわえつけ)と言われる方法で透明の釉薬の上に職人の手によって一つ一つ丁寧に蛇の目が描かれています。
 近年は手描き出来る職人がほとんど残っておりません。
 弊社では転写で同じような質感を出すよう研究し、ご案内しています。
 指で触ったりすると凹凸があるのが分かり、青色の蛇の目の線がハッキリと見えます。
 種類は1合のみ。

職人が手描きで蛇の目をいれる様子
光にかざすと凹凸があるのが分かる

呑み利き猪口
 呑み利き猪口は普段使いに用いられ、生地が厚く比較的丈夫です。
 試飲会や居酒屋などで多く使用されています。
 こちらは下絵付け(したえつけ)と言う方法で蛇の目が描かれており、蛇の目の上に透明の釉薬をかけて焼成してありますので色落ちしません。
 種類は、1合・8勺・5勺・3勺・2.5勺・2勺の6種類があり、多方面で使われています。
 料飲店やイベント等で使われる、側面に銘柄などが印刷された物のほとんどが、この呑みききです。

機械に設置した筆で蛇の目をいれる様子
ガラス釉の下に蛇の目がある為凹凸はない

―厚み―
 本利き猪口と呑み利き猪口とでは生地の厚みが異なります。
 本利き猪口の方が薄く繊細で、呑み利き猪口の方が厚く丈夫に作られています。

並べたところ
左:本きき 右:呑きき 

―比較―
 本ききと呑みききを比較してみましょう。


―容量―
 利き猪口のサイズを表す【勺】は「しゃく」又は「せき」と読みます。
 記載されている容量は、古来より日本で使われている単位を「ml」に直したものです。
 お猪口に波々注ぎますと、これよりも多く入ります。

包装形態

こちらではお選び頂ける包装形態をご紹介します。

1個箱(平盃・お猪口のみ)
箱色:クリーム

井桁(いげた)段ボール
 10個入(5勺きき猪口は8個入)

inserted by FC2 system